一厘 ichirin

手仕事による和雑貨と、ぬくもりのライフスタイル

2014-06-12から1日間の記事一覧

木が、動く。(人間国宝・川北良造)

「木はいつまでたっても生きているんです。だから動く。でもあまり動くと、工芸品には向きません。木にすれば動くのは本質的なことなのに、人間さまのつごうで動かないでほしい、と相反することを要求しているわけです。木に対して申し訳ないと思います」 (…

温泉が育んだ進取の精神・・山中のとりくみ

石川県には3つの漆器産地がある。 まず、思い浮かぶのは輪島塗りだろう。小学生のとき社会の資料集でその美しい漆器を目にした人も多いはずである。 次に兼六園をはじめとした加賀百万石の絢爛豪華なイメージの金沢。そのイメージと違わず、金沢は「蒔絵(…

山深い温泉街が「JAPAN」に光明を灯す

英単語「JAPAN」のもうひとつの意味をご存じだろうか。なんと「漆器」である。 なぜ「JAPAN」が「漆器」なのか。「CHINA」が「陶器」を意味するのと同じように、英語圏の人たちにとって日本の漆芸の完成度はそうとうなインパクトをもって受け入れられ、明治…

山中漆器のルーツ(後編)蒔絵の技術を獲得した、漆器商の健脚

石川県山中温泉町を見おろすように立つ医王寺。現在はバイパスが目の前をとおっている。寺門の前に立派な石碑が立っている。そこに刻まれた文字は「会津屋由蔵」と読める。 時は江戸時代。天保の改革のただ中にさかのぼる。 年季が明けひとりだちしたばかり…