一厘 ichirin

手仕事による和雑貨と、ぬくもりのライフスタイル

歴史

山中漆器のルーツ(後編)蒔絵の技術を獲得した、漆器商の健脚

石川県山中温泉町を見おろすように立つ医王寺。現在はバイパスが目の前をとおっている。寺門の前に立派な石碑が立っている。そこに刻まれた文字は「会津屋由蔵」と読める。 時は江戸時代。天保の改革のただ中にさかのぼる。 年季が明けひとりだちしたばかり…

山中漆器のルーツ(前編)木地

山中における漆器生産のルーツをさかのぼってみよう。 それは安土桃山時代の天正年間(西暦1573-1592)にさかのぼる。太閤秀吉が全国統一を成し遂げていく、まさにそのころのこと。良材を求めて諸国山林伐採許可状を携えて山という山を渡り歩いていた木地師…