一厘 ichirin

手仕事による和雑貨と、ぬくもりのライフスタイル

土地の風物

紅葉の由利本庄に、積層材の箸メーカーを訪ねて。

由利本庄は秋田県南部、日本海側に位置し、南北に酒田街道、東に本庄街道・矢島街道が貫き、古来から交通の要衝であった。平成の市町村大合併で生まれた由利本荘市の面積は、神奈川県の半分に相当し、秋田県下でも最大。 石沢川に沿って走る本庄街道をさかの…

東工大のお膝元で。現代の製本師(東京都大田)

技術系・最高学府のある町で。 東急線大岡山駅を出ると、奇妙な造形の建築物が目に飛び込んでくる。門は開かれ、学生たちがのびやかに歩く明るいキャンパス。ここが技術・理工系の最高学府として日本のマサチューセッツ工科大学にも例えられる東京工業大学で…

弁当忘れても、傘忘れるな(石川県山中)

天気予報は晴れだった。 雨が降っている。山中温泉。 ときどき、ざあっと、旅館の部屋にいてもちょっと身構えてしまうほどの音を立てる。新緑の沢から立ちのぼるごうっという唸りとまじって渓谷に響き渡り、すさまじいことこの上ない。 「弁当忘れても、傘忘…

山中温泉。開発したのは、奈良大仏のスゴ腕・総監督

なんと おおきな へいじょうきょう。 懐かしや、西暦710年。「なくようぐいすへいあんきょう」とともに、全国の小学生にもおなじみの奈良時代、聖武天皇のもとで大仏建立にあたった行基という高僧が諸国行脚をしていたとき、加賀の山中であやしげな紫雲に導…

あずき貝(石川県山中温泉)

石川県山中温泉にて、山中漆器の職人さんたちを取材。 山中は字のとおり深い山の中の町だが、日本海も近く、海、山の幸に恵まれている。 昼食に入った懐石料理店で気になった食材は、あずき貝。貝殻についた文様があずきみたい。 全国的な漆器産地として名高…

馬籠宿(まごめじゅく)

朝、旧中山道で国境(くにざかい)の峠を越える。峠越えの途中、きつい坂道の両側に往時をしのばせる建物が並ぶ。 馬籠宿である。 かなたには前夜に投宿した中津川の町が見える。南に目を移せば守護神のように鎮座する恵那山の美麗な山容。 早朝の馬籠宿を歩…