一厘 ichirin

手仕事による和雑貨と、ぬくもりのライフスタイル

馬籠宿(まごめじゅく)

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朝、旧中山道で国境(くにざかい)の峠を越える。峠越えの途中、きつい坂道の両側に往時をしのばせる建物が並ぶ。

馬籠宿である。

かなたには前夜に投宿した中津川の町が見える。南に目を移せば守護神のように鎮座する恵那山の美麗な山容。

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早朝の馬籠宿を歩く。水路を流れる水音が聞こえるだけで、ひとけはない。

と、そのとき。石畳をのぼってくる白い軽自動車が見えた。テーマパークのような光景のただ中に、前ぶれなく現れた生活感にぎょっとした。見ると、園児の送り迎えの若い母親だった。

観光客が来る前の時間、この道は立派な生活道なのだ。

茶屋に入ると雄大な恵那山が正面に見えた。急勾配を駆けのぼってくる風がここちいい。時おり、軽トラックが悲鳴のようなうなりを上げて石畳をのぼっていく。

中山道は、生活のなかで今なお生きているのだと思った。

太陽の光が石畳にまっすぐ降り注ぎ、ようやく蝉が鳴き始めた。

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