一厘 ichirin

手仕事による和雑貨と、ぬくもりのライフスタイル

木曽ヒノキ・白木箸との二ヶ月

木曽ヒノキの白木の箸と、漆塗りの菜箸。

白木の箸は、握りの部分がシンプルな四角断面で、先端に行くほど八角形になっていく形状。

いちばん最初に使うとき、強いヒノキの香りがする。

食材の香りを打ち消すほどの強い香りだ。これはこれで嫌いではないが、気になる人は熱いお湯を箸にかけることでヒノキの香りを弱めることができる。もっとも数回使っているうちに自然と、ほどよい香りになる。

四角い握りはソリッド感があり、最初はいかつくて手の馴染みがいまひとつの印象だったが、使い込んでいくうちにこのしゃきっとしたソリッド感がたまらなくなってきた。通常の塗り箸などがヤワに感じられて、もの足りない。

木曽ヒノキの白木箸は、手にかちっとおさまり、硬すぎず柔らかすぎず。

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そして2ヶ月後。

菜箸の方は天ぷらなどの高温の油料理での使用も含めて毎日使っているが漆ははげていない。先端が少し汚れた程度。

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ヒノキ材の菜箸は、とにかく軽く、握りと先端にエッジがきいているので食材をはさみやすい。何よりも料理をするときに、ぴりっと気持ちが入るのがいい。

 

そして白木のお箸については予想外の展開が。

白木の箸は使い捨てに近い印象を持っていたのも、子どものころの記憶で、お正月の期間だけ使う白木の祝箸がいやでしかたなかったからだ。最初は白い箸が日に日に黒ずんでくる。洗い桶に漬けっぱなしにするような粗雑な使い方のせいでもあるものの、持つたびに生乾きの感触が手に残り、苦痛の一週間。あれはほんとうに、いやだった。

ところが木曽ヒノキの白木箸は、洗った後も短時間でさっと乾く。

朝食で使った箸を洗っても、昼食までにはしっかり回復。

どうも木の特性として水を弾く、とまではいかないけど、水がしみこみにくい性質があるようだ。

下が毎日使いの2ヶ月後の写真。左が新品、右が使用後。

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さすがに断面部から少し黒ずみが出てきているものの、2ヶ月ですよ、2ヶ月。

先端部はやはり少々の黒ずみと、エッジの摩耗がみられるが六角形の断面はしっかりしている。

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割り箸で食べると、なぜか料理が美味しく感じるようなことはないだろうか?

蕎麦とか刺身などは特に。

そんな効果があるせいか、使い慣れた塗り箸と白木の箸を並べておくと、無意識のうちに白木の箸の方を選ぶようになってきた。

この選択的な行動は、私と高校生の娘に顕著に見られたが、妻においてはその傾向は弱かった。私と娘は食べ物の好みが居酒屋系、対して妻はパン系である。

 

結論として、だいたい1ヶ月ぐらいで新品に替えるようなサイクルで使うとよさそうだ。今ではわが家の食卓には欠かせないマストアイテムになっている。

 

週末に遠方から友人が家に来る。今までは割り箸を使ってもらっていたが、今度は木曽ヒノキの白木箸を使ってもらおうと思っている。

気に入ってくれたら、使ったお箸を持って帰ってもらえば、ちょっとしたお土産にも。